仕事の合間
本棚に目をやると見えるのは……
焼酎(笑)。
鹿児島県の阿久根市の大石酒造さんの子で“鶴見”と“莫祢氏”。
兜釜蒸留で生まれた子達だ。
焼酎は日本酒と違って蒸留されて作られる。
焼酎用語の蒸留とはー液体を熱し気化させ、その気体を冷やし再び液体にする工程のこと。
一度気化することで、不純物が除かれ100%純粋な液体ができあがる。
焼酎蔵にいくと、L字が横たわったような形や鶴の首のような形をした蒸留機がある。
(もちろん俵のようなドラム形のものもあります)
(こちらの蒸留期は八千代伝を醸す八千代伝酒造さんの蒸留機です)
蒸留中、周りの空気はものすごく熱く、造りの蔵人は汗まみれ。
夏の終わりから初冬までその状態は続きます。
さて、蒸留。
うちの本棚にある兜釜蒸留“鶴見”と“莫祢氏”は芋焼酎ファンのなかでも
熱狂信者も多く、自分もそのひとり。
“鶴見”と“莫祢氏”の原料は地元産の白豊(さつまいも)。白麹造り。
芋の優しい味わいのなかに濃厚な芋の甘さが丁寧に溶け合い、
ストレートで飲むと一瞬、芋の100%果実酒を飲んでいるような感覚になる。
兜釜という蒸留とは明治時代まで焼酎の蒸留に用いられていた伝統的な蒸留方法。
手間ひまがものすごくかかるうえ、今の蒸留機が主流になってから、ひとつ、またひとつと日本の焼酎蔵から姿を消した。
その幻となったその兜釜を復活させたのが五代目大石啓元氏こと大石のおとうさんである。
実際に兜釜を見せてもらったのはちょっと狂ったようになっていた焼酎ブームの時代。
もう10数年前にもなる。
あの頃、焼酎の“し”の字もきちんと理解していなかった。
今考えるとなんて惜しいことをしているのだ〜と頭ポコポコ叩きたくなる気分である。
この兜釜。
鉄の釜の周りに檜の木桶を組み立てるところからはじまる。
釜のなかに醪をいれ、蒸留しはじめるのだが、もちろん、そこには大石のおとうさんがこだわった
兜釜の秘密があるのだ。
冷却されてでてくる液体は純度100%。
そのうえ、木桶の香りがほんのりと焼酎のなかに溶けており、“鶴見”と“莫祢氏”を飲んだとき
余韻に感じる艶っぽく上品な風味は檜の木桶の香りだということがわかる。
兜釜蒸留は今でも東南アジアの山岳地帯では現役。
一度でいい、この目で現地の蒸留を見てみたいもの。
とにかく通常の蒸留より手間ひまがかかるので、
そのぶん、香味豊かな個性のある子になるのである。
なんでこれをここに置いてあるの? と聞かれることも多い。
一応、飲みたいときに飲めるからと答えるが、
ここに置いてからもう1年以上。まだ手をつけていない。
ただのオブジェ化しているけれど、この2人を眺めるたびに
10数年前に御邪魔した大石のおとうさんの蔵の記憶が鮮やかに甦るのである。
とはいえ、またそろそろ、御邪魔したい気持ちが疼くのも本音。
この子達をポケットにいれ、ふらり酎ナフキンで阿久根市を彷徨ってみるのも……悪くないか♪
旨き酒 愛でて飲んで 楽しく酔える 故郷浮かぶ 愛しき子らよ (おそまつ)。
↑新しく登録中です。こちらもぽちっとよろしくお願いします。by gon麹
DATA)
商品名:古式兜釜蒸留 鶴見 & 古式兜釜蒸留 莫祢氏
蔵元 :大石酒造
備考:毛筆のラベルの文字がのびのびとしており、おいしい子を飲んでまるで踊っている呑み助に見えるはご愛嬌♪(自分の視感ですので、あしからず)。
本棚に目をやると見えるのは……
焼酎(笑)。
鹿児島県の阿久根市の大石酒造さんの子で“鶴見”と“莫祢氏”。
兜釜蒸留で生まれた子達だ。
焼酎は日本酒と違って蒸留されて作られる。
焼酎用語の蒸留とはー液体を熱し気化させ、その気体を冷やし再び液体にする工程のこと。
一度気化することで、不純物が除かれ100%純粋な液体ができあがる。
焼酎蔵にいくと、L字が横たわったような形や鶴の首のような形をした蒸留機がある。
(もちろん俵のようなドラム形のものもあります)
(こちらの蒸留期は八千代伝を醸す八千代伝酒造さんの蒸留機です)
蒸留中、周りの空気はものすごく熱く、造りの蔵人は汗まみれ。
夏の終わりから初冬までその状態は続きます。
さて、蒸留。
うちの本棚にある兜釜蒸留“鶴見”と“莫祢氏”は芋焼酎ファンのなかでも
熱狂信者も多く、自分もそのひとり。
“鶴見”と“莫祢氏”の原料は地元産の白豊(さつまいも)。白麹造り。
芋の優しい味わいのなかに濃厚な芋の甘さが丁寧に溶け合い、
ストレートで飲むと一瞬、芋の100%果実酒を飲んでいるような感覚になる。
兜釜という蒸留とは明治時代まで焼酎の蒸留に用いられていた伝統的な蒸留方法。
手間ひまがものすごくかかるうえ、今の蒸留機が主流になってから、ひとつ、またひとつと日本の焼酎蔵から姿を消した。
その幻となったその兜釜を復活させたのが五代目大石啓元氏こと大石のおとうさんである。
実際に兜釜を見せてもらったのはちょっと狂ったようになっていた焼酎ブームの時代。
もう10数年前にもなる。
あの頃、焼酎の“し”の字もきちんと理解していなかった。
今考えるとなんて惜しいことをしているのだ〜と頭ポコポコ叩きたくなる気分である。
この兜釜。
鉄の釜の周りに檜の木桶を組み立てるところからはじまる。
釜のなかに醪をいれ、蒸留しはじめるのだが、もちろん、そこには大石のおとうさんがこだわった
兜釜の秘密があるのだ。
冷却されてでてくる液体は純度100%。
そのうえ、木桶の香りがほんのりと焼酎のなかに溶けており、“鶴見”と“莫祢氏”を飲んだとき
余韻に感じる艶っぽく上品な風味は檜の木桶の香りだということがわかる。
兜釜蒸留は今でも東南アジアの山岳地帯では現役。
一度でいい、この目で現地の蒸留を見てみたいもの。
とにかく通常の蒸留より手間ひまがかかるので、
そのぶん、香味豊かな個性のある子になるのである。
なんでこれをここに置いてあるの? と聞かれることも多い。
一応、飲みたいときに飲めるからと答えるが、
ここに置いてからもう1年以上。まだ手をつけていない。
ただのオブジェ化しているけれど、この2人を眺めるたびに
10数年前に御邪魔した大石のおとうさんの蔵の記憶が鮮やかに甦るのである。
とはいえ、またそろそろ、御邪魔したい気持ちが疼くのも本音。
この子達をポケットにいれ、ふらり酎ナフキンで阿久根市を彷徨ってみるのも……悪くないか♪
旨き酒 愛でて飲んで 楽しく酔える 故郷浮かぶ 愛しき子らよ (おそまつ)。
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DATA)
商品名:古式兜釜蒸留 鶴見 & 古式兜釜蒸留 莫祢氏
蔵元 :大石酒造
備考:毛筆のラベルの文字がのびのびとしており、おいしい子を飲んでまるで踊っている呑み助に見えるはご愛嬌♪(自分の視感ですので、あしからず)。