記録に残るもの、記憶に残るもの。
この2つはよく比較される。
赤羽にある、すし処 みや古分店は記憶に残るものゾーンにはいるだろう。
ごまふぐの白子冬瓜碗のあとにでてきたのは
インド鮪のおつくりである。
鮪のおつくりというと、満足するまで何枚もぺろりといくのだが
このおつくりはこの4切れで十分に満足できた。
1枚目。
口にいれた瞬間、まるで氷が溶けるようにあっというまに口のなかで消えてしまった。
今口にいれたっけ? と頭をひねるくらいの早さである。
2枚目はまずは半分と噛む。
するとふわんとした食感としっとりと滑らかさに
うーーーーーーーーーーーーーんーーーーーーーーーーー脳がとろけそう。
かつて、ここまで鮪のおつくりをここまで味わったことあるだろうか。
3枚目は薬味の茗荷を包んで。
爽やかな茗荷の香りが鮪の風味の感じ方をまた変えてくれるのが一興。
茗荷を食べると物忘れとなるというが、
この鮪と茗荷の組み合わせは、香りから味わいまで思わず、惚けてしまいそうな世界である。
4枚目は山葵で。
清々しい山葵の香りに舌の上に広がる清涼感がしっとりした鮪につややかさをもたらしてくれているようだ。
もちろん、すべて口のなかにいれた途端、淡雪のように、しゅわんと溶ける。
1分も満たない、数秒感の世界に悶絶。
一見、鱧とおもいきや、これは穴子のおとし、湯引きである。
ふわふわとした歯ごたえのなかにほんのり穴子独特の旨みが隠れている。
鱧のおとしにはない、穴子の甘み。
穴子のほうが、鱧よりも万人ウケするんじゃなかろうか。
ウリを齧って、穴子を一口。
夏の暑さを忘れさせてくれるウリのみずみずしさが穴子の身を包みこむ。
梅味噌をつけて食べると
まさに見た目も味わいも鱧おとし。
梅の朱の色と穴子の身の白さが紅白で華やかだ。
続いてでてきたのは子持ちししゃも天。
サクっとあがった衣のなかにはなんとオレンジ色の卵がギッシリ。
噛むごとに口のなかでプチプチとリズミカルな音が響く。
このししゃも1本だけで酒は間違いなくすすむ。
酒好きの心を掴む酔い料理だ。
お椀がでてくると、中はとろっとろの山芋に浮かぶいくらの実(敢えて実と表記)。
あわびのしんいりとろろ碗である。
ねばっこいとろろをずるずるっとほおばり、
口のなかでいくらやあわびの芯をひろったりしながらいただくのは
これぞうまいもん宝探し。
とろろは大好きだが、いかんせん、自宅で作るのは肌がかゆい(汗)。
外で食べるに限る!食材である。
食べ始めてもうすぐ2時間。
隣の客のコースの流れからいくと
そろそろこちらにもお鮨がでてくるようだ。
さあて、どんなお鮨がでてくるのか。
待つ間の空想時間も
この店の料理時間の一部である。
記憶に残るものとして、それはこれからも幾度か反芻されるはずだ。
<続>
↑新しく登録中です。こちらもぽちっとよろしくお願いします。by gon麹
撮影協力:すし処 みや古分店
この2つはよく比較される。
赤羽にある、すし処 みや古分店は記憶に残るものゾーンにはいるだろう。
ごまふぐの白子冬瓜碗のあとにでてきたのは
インド鮪のおつくりである。
鮪のおつくりというと、満足するまで何枚もぺろりといくのだが
このおつくりはこの4切れで十分に満足できた。
1枚目。
口にいれた瞬間、まるで氷が溶けるようにあっというまに口のなかで消えてしまった。
今口にいれたっけ? と頭をひねるくらいの早さである。
2枚目はまずは半分と噛む。
するとふわんとした食感としっとりと滑らかさに
うーーーーーーーーーーーーーんーーーーーーーーーーー脳がとろけそう。
かつて、ここまで鮪のおつくりをここまで味わったことあるだろうか。
3枚目は薬味の茗荷を包んで。
爽やかな茗荷の香りが鮪の風味の感じ方をまた変えてくれるのが一興。
茗荷を食べると物忘れとなるというが、
この鮪と茗荷の組み合わせは、香りから味わいまで思わず、惚けてしまいそうな世界である。
4枚目は山葵で。
清々しい山葵の香りに舌の上に広がる清涼感がしっとりした鮪につややかさをもたらしてくれているようだ。
もちろん、すべて口のなかにいれた途端、淡雪のように、しゅわんと溶ける。
1分も満たない、数秒感の世界に悶絶。
一見、鱧とおもいきや、これは穴子のおとし、湯引きである。
ふわふわとした歯ごたえのなかにほんのり穴子独特の旨みが隠れている。
鱧のおとしにはない、穴子の甘み。
穴子のほうが、鱧よりも万人ウケするんじゃなかろうか。
ウリを齧って、穴子を一口。
夏の暑さを忘れさせてくれるウリのみずみずしさが穴子の身を包みこむ。
梅味噌をつけて食べると
まさに見た目も味わいも鱧おとし。
梅の朱の色と穴子の身の白さが紅白で華やかだ。
続いてでてきたのは子持ちししゃも天。
サクっとあがった衣のなかにはなんとオレンジ色の卵がギッシリ。
噛むごとに口のなかでプチプチとリズミカルな音が響く。
このししゃも1本だけで酒は間違いなくすすむ。
酒好きの心を掴む酔い料理だ。
お椀がでてくると、中はとろっとろの山芋に浮かぶいくらの実(敢えて実と表記)。
あわびのしんいりとろろ碗である。
ねばっこいとろろをずるずるっとほおばり、
口のなかでいくらやあわびの芯をひろったりしながらいただくのは
これぞうまいもん宝探し。
とろろは大好きだが、いかんせん、自宅で作るのは肌がかゆい(汗)。
外で食べるに限る!食材である。
食べ始めてもうすぐ2時間。
隣の客のコースの流れからいくと
そろそろこちらにもお鮨がでてくるようだ。
さあて、どんなお鮨がでてくるのか。
待つ間の空想時間も
この店の料理時間の一部である。
記憶に残るものとして、それはこれからも幾度か反芻されるはずだ。
<続>
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撮影協力:すし処 みや古分店