Quantcast
Channel: ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>
Viewing all 203 articles
Browse latest View live

芋洗い&芋きり 本格焼酎

$
0
0
本格焼酎、芋焼酎の原料は〝芋〟。各蔵によって、扱う芋の種類多岐にわたり、処理の仕方も様々。
c0059278_19173589.jpg
汚れ、傷、痛みの箇所は削除。これは家事で料理をするときの感覚と同じ。

口に入れるものである以上、
安全なものを扱いという思い。
c0059278_19173826.jpg
原料の芋を運ぶときも掘りたての新鮮芋を扱うときと
数日寝かして少し熟成させた芋を使うときなど

やはり各蔵の方針によって異なる。
c0059278_19174049.jpg
  一概に芋焼酎といっても同じ作業(芋洗い、芋きりは同じ)ではない。
でも造り手が思うことはただ一つ。

c0059278_19174308.jpg
美味しい芋焼酎になりますように。

丁寧に愛情を込めて
芋一つ一つに目を配る。
c0059278_19174677.jpg
実際の芋洗い、芋きりの現場はプロの戦場。
多大に流れてくる芋の集団を瞬時に見極め
おかしなものを取り除いていく。
c0059278_19183064.jpg
手でもち、目で確かめ、臭いで判断。
それが一秒以内に行われること。
「慣れだよ」といわれる。
が、その感覚を身につけるのも
やはりプロなのである。




 ↑お手すきの時にでも、ぽちっとよろしくお願いします。by gon麹



撮影:上3枚ー鹿児島 薩摩酒造明治蔵 (http://www.meijigura.com)
   下2枚ー鹿児島 八千代伝酒造  (http://yachiyoden.jp)




本格焼酎は大地からのプレゼント

$
0
0
鹿児島県内にある焼酎蔵は114。昨年、三島村の黒島が焼酎特区となり、久しぶりに数が増えた。一つの県に114も蔵があるのは世界中でも稀。鹿児島とはそういう世界である。20年前から焼酎蔵の周りをさわさわと彷徨っている。造りの時期はわさわさと心が騒き、気づけば飛行機に乗っていた。各蔵、人と原料と微生物のトリプルタッグで生まれてくる世界はそれぞれ特徴的でアメージング。同じ工程を毎年見ていても飽きないのはそこに心と情熱、そして生まれてくる命があるからだろう。秋冬中心に彷徨っていた焼酎蔵探訪もここ数年、春に夏にと変化してきた。その一つが焼酎の原料世界との出会いである。
c0059278_07333413.jpg
焼酎の原料となる農業ゾーン。
この世界に自らの手と目と感覚を大事に取り組む蔵も増えはじめた。

その一つが鹿児島県、垂水に蔵を構える
農業法人八千代伝酒造(株)である。
原料まで手を広げるようになった理由はもちろんあるが
ここでは割愛。
(知りたい方は是非、焼酎イベントで蔵元に直接お聞きください)
芋焼酎の苗も早くからバイオ苗に着手し、
病に強い力強い芋を育て続けている。


(バイオ苗とはウイルスフリーの苗のこと。
前年に収穫した良質の芋の成長点から無菌状態で培養した苗である。
病気などが発生しにくいため、
最近はこのバイオ苗が注目を浴びている。)


そして今年も畑の芋の苗植えの時期。
芋苗の畑作業の中で過酷な作業の一つといってもいいだろう
ハウスで育てた芋の苗きり。
青々と伸びる綺麗な芋苗のラインにうっとり♩
なんて時間はない。
梅雨に入るまでに畑に苗を植える!
そのためにも1本でも多く、いい大きさの苗をカットしなくてはいけない。
c0059278_07333806.jpg
大きく伸びた苗の地表より、下から2連結目を残しチョッキン。

カットすると、切り口より白い液がとろ〜とでてくる。
これはサツマイモを調理する時にでてくるものとよく似ており、こいつはクセモノ。
素手につくと黒くなり、まるで接着剤がついた時のように取りにくい。
この白い液はヤラピンという成分で、
整腸作用を高め、食物繊維との相乗効果があるとか。
(服についたら、洗濯しても落ちないので要注意! 
手についても石鹸ではなかなか落ちないので気をつけて。)
c0059278_07334369.jpg
大きい苗は半分に。

c0059278_07334744.jpg
20〜25センチくらいの大きさが畑に植えるサイズとしてベストのよう。
カットした苗はひたすら籠に詰め込んでいっぱいになったら次の籠。
そのエンドレスである。
よりいい苗を見つけるために果てしなく伸びる芋苗の万里の長城を見つめると、
鯨目(大海原で鯨をすぐに見つけられる目)、鳥目ならぬ
苗目でひたすら苗床と真剣お見合い。


c0059278_07335367.jpg
農業法人八千代伝酒造(株)は
カットした苗はその日のうちに自社畑に植える。

蔵が管理する畑は毎年増えていき、今年はついに60枚、10町歩。
大隈半島の垂水地域を中心にいくつもの畑があり、畝の本数は約2000本。
環境のために畝に使うマルチは生分解性のものを使用。
(苗植えの前に畑の下作り、畝立てとかの作業もあるが、それはまた今度)
「焼酎は原料によって生まれる。その原料は大地から生まれる。その大地を大事にすることがおいしい焼酎が生まれる基本ですよ」。
蔵で畑担当…であり、
代表取締役社長である八木健太郎(以下、健太郎さん)さんはいう。
いかに芋の苗を元気に大きくのびのび育てられるか。
病になりそうな要因を見抜き、発生前に対処する姿は
まさに畑人。
「畑にいないと元気充電できません」と毎年真っ黒な顔で答える姿は
夏休みに虫取りで川や山で走りまわる小学生に似ている…。
とにかく健太郎さんの頭には常に畑があるのだ。




c0059278_07353529.jpeg

カットした苗は数時間後には畑へ。
マルチの上からプスプスと植えていく。


c0059278_08362839.jpeg
芋苗チャリ(四輪車)に苗の入ったカゴを乗せ、二人三脚で植えていく(一人もあり)。

サスケという芋苗道具でマルチに1本ずつ差し込む。
イメージで言えば、必殺仕事人のかんざしのヒデ(古)、
今でいうとTOKIOの松○さんの涼次か?


c0059278_08364702.jpeg
この自転車。単純明快でよくできてるなあと感動するなか、
この1台のお値段なんと…。

これは大事に乗らねばと、ど緊張するが。
しかし苗植えが始まったらただただ植える作業のみに集中し
おそるおそるの気持ちはどこかへ消えた。
畝をまたいで四輪車を後ろに動かしながら、植える。
一見楽しく感じる。されど普段使わない足の筋肉を使うため、
途中から足の感覚や力がドッと抜け、ついつい足幅が小さくなると


「畝!踏まない!」
と、敏腕相方さんに指摘され、
慌てて足を広げ、太ももに力を入れてしっかりと自転車の後ろ漕ぎ。




c0059278_08380615.jpeg

畑人のスピードはとてつもなく速い!
「畑王になる!」と飲んでいる時、高らかに叫んだことは
伊達じゃない。
c0059278_08383639.jpeg
畑の土はふかふかで、まるで羽根布団。苗が育ちやすいように手間暇かけてる証。
そんな畑に植えられた苗はどこか嬉しそう。

風にゆらゆら揺れる様子は気持ちよさそうだ。
夏から秋にかけて雑草に負けず、病にかからず、大きく立派に育てよと願いを込められた芋の苗。
秋には大きな芋がゴロゴロとたわわに実らせてくれるだろう。



c0059278_08400348.jpeg
苗切りは2回目。苗植えは初体験。

毎回、体験を許可していただく農業法人八千代伝酒造(株)の皆様には
大感謝にて。
本格焼酎は知れば知るほど、第一線に答えがある。
大地より生まれる本格焼酎。
おいしさの答えを見つけに…
酎ナフキンはまだまだ続く。


c0059278_09292812.jpeg
PS:苗植え、苗切り。今期も無事に終了したようで。夏は雑草との戦い!
そして農業法人八千代伝酒造(株)の次なるチャレンジは…また後日。





 ↑お手すきの時にでも、ぽちっとよろしくお願いします。by gon麹

多くのファンが集うのは、蔵に造り手に惚れるからー柳田酒造編ー

$
0
0
5年連続、本格焼酎出荷最多になった宮崎県。
その宮崎県の都城市にある本格焼酎メーカーの一つが柳田酒造です。
c0059278_12481263.jpg


創業は明治35年。現蔵元は5代目、柳田正氏は機械いじりが得意!?な元プログラマーという経歴の持ち主。毎年、改良し続ける蒸留器はもはや柳田蒸留器と呼ばれるほど、他の本格焼酎メーカーでは追随を許さない代物です。
c0059278_12484016.jpg


造りだす焼酎は麦と芋。
麦焼酎『駒』は先代が柳田酒造を存続させるために渾身の力を注いで造り続けてきた銘柄。その『駒』への想いをしっかり受け継ぎ、蔵に戻ってからは時代の流れを見つつ、五代目らしい本格焼酎を毎年造り出しています。
c0059278_12490558.jpg


「とにかく気になることは原料でも蒸留器でも熟成でも、まずはトライしたい」という好奇心の強さは本格焼酎メーカー世界でもトップ3に入るといっても過言ではなく、柳田さんの頭の中は常に本格焼酎の実験と創意工夫が渦巻いています。
c0059278_12492316.jpg



本格焼酎を造りだして117年。順風満帆という言葉は遠い時期がいくつもあったそうです。
創業以来、造り続けてきた芋焼酎を経済的な理由で断念した先代。その先代の想いを心に深く留め、麦焼酎『駒』、『赤鹿毛』、『青鹿毛』という柳田ワールドを生み出し、満を持して平成25年に芋焼酎『母智丘千本桜』を復活させた柳田さん。
c0059278_12495421.jpg
家族の支え、6代目となる娘さんへの思い…家族と柳田酒造を創業以来見守ってくれた地域への感謝が柳田さんの造りだす本格焼酎にがしっかりと込められているのが飲み手にも感じられ、多くの人が柳田酒造のファンになるのでしょう。
柳田酒造の麦、芋焼酎はまだまだ進化発展していきます。
          第10回 柳田酒造の会 柳田酒造紹介デジメ 一部加筆

Viewing all 203 articles
Browse latest View live