夏より焼酎の造りがはじまり、
深まる秋に日本酒の造りの便りが届きだした。
呑み助としては、ワクワクウズウズする時期の到来である。
造りにはいると、それぞれの蔵の忙しさは半端がない。
蔵では関わる人皆、自分の分身がいくつも欲しいであろうと思えるくらい、
寝る暇惜しんで造りにかかりっきりになる日が多くなる。
そんな蔵のおかげで、毎年、美味しい子がいただけるのである。
ありがたや〜ありがたや。
造りの肯定のなかで、どの部分も大事であるが、
一番肝なのが“麹”である。
麹がうまく働いてくれることで、お酒がおいしく生まれるかどうかが決まるのだが、
そもそも麹って何なのだろう。
辞書などをひくと、次のように記載されている。
「麹、糀とは、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたもの。
コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する様々な酵素を生産放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解。
そのとき生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖していく。
このコウジカビの産生した各種分解酵素の作用を利用して、日本酒や焼酎、泡盛、味噌に醤油、食酢、漬物など、発酵食品をつくる」
つまり、微生物であり、カビだ。
カビというと、健康に害するようなイメージが強いが、悪いものばかりのものではない。
私達の食生活には欠かせない良き存在でもある。
カビのおかげで美味しい調味料ができ、もちろん酒も醸され、
そして漫画「仁」でも有名になったペニシリンが生まれたのもカビの効能だった。
ともあれ、酒造りのときに欠かせない“麹”は良きカビ。
そのカビをうまく育て、扱うのが蔵人の技なのである。
さて、日本酒、焼酎、泡盛などに使われる麹は黄麹に白麹、黒麹と3つある。
もちろん見た目にもそれぞれ色がついているので、わかりやすいが、それぞれの子がもつ個性も異なる。
黄麹は主に日本酒に使われる麹。清涼感あるフルーティーな味を醸してくれる。
黒麹は泡盛や焼酎に使われる麹。力強くインパクトある口当たりに独特の香ばしさを産み出してくれる。
白麹はなめらかでどこか華やかな雰囲気をもち、優しさを感じさせてくれる。
とまあ、誰もがそれぞれの麹で醸した子(酒)を飲み比べれば、違いがわかるだろう。
まず、黒麹。
黒麹は昔から沖縄の泡盛造りで使われていたこともあり、とにかく暑さに強い。クエン酸発酵も盛んで、強い酸性度を保つ。つまり、ちょっとやそっとの他の菌ならば、はねのけたり、自分の力でやっつける能力をもつのだ。
そのぶん、白麹は沖縄泡盛黒麹菌からアルビノの突然変異体として単離した菌種である。つまり黒麹がある日突然、白くなってたーというパターンで、黒麹ほどではないが、暑さにほどよく強く、黒麹のインパクトある世界が少しやわらかく、やさしく醸すことができるという性格をもつ。
そして黄麹は日本列島に古くからいた麹菌。とはいえ、暑さに弱く、他の雑菌にもめちゃくちゃ弱い。黄麹で醸すときは、ちょっとしたことで、すぐにだれたり腐りだすなど、昔から多くの造り手を困らせてきた目が離せないお姫様的存在なのである。
これでも簡単に綴ったつもりであるが、やはり長い。
そこで、こう覚えると簡単である。
(個人的なことなので、あしからずご了承を)
黒麹=アフリカ系黒人
白麹=ヨーロッパおよびアメリカなどの白人
黄麹=東アジア人
オリンピックや陸上競技などを思い浮かべてほしい。
黒人はとにかく身体能力が強く、圧倒的なパワーをもつ絶対王者で、陸上やマラソンにパワー競技などは黒人が国籍問わず必ず1、2、3を独占しているだろう。
白人は黒人ほどまではいかないまでも、力強さをもちながら、華やかさやきらびやかさをもっており、テニスやサッカー、フィギア、バレーなどでも多くのトップスターを輩出している。
東アジア人はパワーや華やかさなどはそれぞれにはかなわない。しかし、両者にない魅力をもっている。繊細さ、細かさ、儚さ、潔さ……細かいものをあげるとキリがない。相撲に空手に柔道、弓道、卓球、曲芸などパワーだけでは成功しないテクニック、技などを重ねた競技に多くの先人達が名を連ねてきた。
(もちろん、今のスポーツ世界はグローバル化して、それぞれの得意分野に入り乱れているのが現実。あくまで例え)
このように想像すると麹の違いもちょっとは分かりやすくなる!? かもしれない。
黒麹、白麹、黄麹。
同じ酒造りの麹でありながら、性格&性質の異なるもの。
そんな麹をうまく操り、育てる蔵があるからこそ、私達は美味しい子をいつも楽しむことができている。
さて、今宵はどんな子が目の前に現れてくれるか……。
味の余韻に揺れながら、麹はなあに?とちょっとラベルをみてみるのも面白いかもしれない。
(日本酒は基本黄麹、最近は白麹で醸された子もいる。焼酎は白、黒がメイン。黄麹の子もいる。泡盛は黒麹)
※麹は他にも芋麹などもあるので、それはそれで興味深い世界を味わえるので、お楽しみあれ。
↑こちらもぽちっと元気によろしくお願いします。by gon麹 励みになりまーす♩
深まる秋に日本酒の造りの便りが届きだした。
呑み助としては、ワクワクウズウズする時期の到来である。
造りにはいると、それぞれの蔵の忙しさは半端がない。
蔵では関わる人皆、自分の分身がいくつも欲しいであろうと思えるくらい、
寝る暇惜しんで造りにかかりっきりになる日が多くなる。
そんな蔵のおかげで、毎年、美味しい子がいただけるのである。
ありがたや〜ありがたや。
造りの肯定のなかで、どの部分も大事であるが、
一番肝なのが“麹”である。
麹がうまく働いてくれることで、お酒がおいしく生まれるかどうかが決まるのだが、
そもそも麹って何なのだろう。
辞書などをひくと、次のように記載されている。
「麹、糀とは、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたもの。
コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する様々な酵素を生産放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解。
そのとき生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖していく。
このコウジカビの産生した各種分解酵素の作用を利用して、日本酒や焼酎、泡盛、味噌に醤油、食酢、漬物など、発酵食品をつくる」
つまり、微生物であり、カビだ。
カビというと、健康に害するようなイメージが強いが、悪いものばかりのものではない。
私達の食生活には欠かせない良き存在でもある。
カビのおかげで美味しい調味料ができ、もちろん酒も醸され、
そして漫画「仁」でも有名になったペニシリンが生まれたのもカビの効能だった。
ともあれ、酒造りのときに欠かせない“麹”は良きカビ。
そのカビをうまく育て、扱うのが蔵人の技なのである。
さて、日本酒、焼酎、泡盛などに使われる麹は黄麹に白麹、黒麹と3つある。
もちろん見た目にもそれぞれ色がついているので、わかりやすいが、それぞれの子がもつ個性も異なる。
黄麹は主に日本酒に使われる麹。清涼感あるフルーティーな味を醸してくれる。
黒麹は泡盛や焼酎に使われる麹。力強くインパクトある口当たりに独特の香ばしさを産み出してくれる。
白麹はなめらかでどこか華やかな雰囲気をもち、優しさを感じさせてくれる。
とまあ、誰もがそれぞれの麹で醸した子(酒)を飲み比べれば、違いがわかるだろう。
まず、黒麹。
黒麹は昔から沖縄の泡盛造りで使われていたこともあり、とにかく暑さに強い。クエン酸発酵も盛んで、強い酸性度を保つ。つまり、ちょっとやそっとの他の菌ならば、はねのけたり、自分の力でやっつける能力をもつのだ。
そのぶん、白麹は沖縄泡盛黒麹菌からアルビノの突然変異体として単離した菌種である。つまり黒麹がある日突然、白くなってたーというパターンで、黒麹ほどではないが、暑さにほどよく強く、黒麹のインパクトある世界が少しやわらかく、やさしく醸すことができるという性格をもつ。
そして黄麹は日本列島に古くからいた麹菌。とはいえ、暑さに弱く、他の雑菌にもめちゃくちゃ弱い。黄麹で醸すときは、ちょっとしたことで、すぐにだれたり腐りだすなど、昔から多くの造り手を困らせてきた目が離せないお姫様的存在なのである。
これでも簡単に綴ったつもりであるが、やはり長い。
そこで、こう覚えると簡単である。
(個人的なことなので、あしからずご了承を)
黒麹=アフリカ系黒人
白麹=ヨーロッパおよびアメリカなどの白人
黄麹=東アジア人
オリンピックや陸上競技などを思い浮かべてほしい。
黒人はとにかく身体能力が強く、圧倒的なパワーをもつ絶対王者で、陸上やマラソンにパワー競技などは黒人が国籍問わず必ず1、2、3を独占しているだろう。
白人は黒人ほどまではいかないまでも、力強さをもちながら、華やかさやきらびやかさをもっており、テニスやサッカー、フィギア、バレーなどでも多くのトップスターを輩出している。
東アジア人はパワーや華やかさなどはそれぞれにはかなわない。しかし、両者にない魅力をもっている。繊細さ、細かさ、儚さ、潔さ……細かいものをあげるとキリがない。相撲に空手に柔道、弓道、卓球、曲芸などパワーだけでは成功しないテクニック、技などを重ねた競技に多くの先人達が名を連ねてきた。
(もちろん、今のスポーツ世界はグローバル化して、それぞれの得意分野に入り乱れているのが現実。あくまで例え)
このように想像すると麹の違いもちょっとは分かりやすくなる!? かもしれない。
黒麹、白麹、黄麹。
同じ酒造りの麹でありながら、性格&性質の異なるもの。
そんな麹をうまく操り、育てる蔵があるからこそ、私達は美味しい子をいつも楽しむことができている。
さて、今宵はどんな子が目の前に現れてくれるか……。
味の余韻に揺れながら、麹はなあに?とちょっとラベルをみてみるのも面白いかもしれない。
(日本酒は基本黄麹、最近は白麹で醸された子もいる。焼酎は白、黒がメイン。黄麹の子もいる。泡盛は黒麹)
※麹は他にも芋麹などもあるので、それはそれで興味深い世界を味わえるので、お楽しみあれ。
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