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Channel: ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>
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2015 酒ナフキン酒動♪ ー成龍酒造ー

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10代、20代はじめの頃。
とにかく四国という場所から出たかった。
どうにか利用をつけて、外に出ようとした。それからウン十年。
自分の生まれた場所、四国ってこんなに美しく、生活しやすいところだと気づいた。

2015年。1月。
今年も酒ナフキンの活動を酒動(始動)する。

目指すはお隣の愛媛県、西条市。
車ではよく通るところだが、ここがどのようなところかを知っているかどうかと聞かれると
四国生まれでといえないほどの知識しか持たぬ。



今回、この地で創業138年という酒蔵、成龍酒造さんに御邪魔することができた。

成龍酒造というと、地元で人気あるのが『御代栄』。
駅のホームでも大きく看板が掲げられ、地元に親しまれている子なんだということがわかる。
『伊予賀儀屋』といえばピン! とくる人が多いのではないだろうか。



首藤英友さんと知り合えたのは、2年前に手がけていた『bacchante』(休刊中)のインタビュー。
故郷の隣県にこんな人がいるんだーと知ったとき、やっぱり四国ってええとこやと思えたものだった。
「蔵に御邪魔しますー」と約束してはや2年。口ばっかり麹だったあんぽんたんは、2015年新春。ようやく蔵に潜入することができた。

成龍酒造の造りは少数精鋭部隊。
杜氏の織田さんと首藤さんの弟の敏孝さんが中心となって精を出している。

今回、御手伝い(という名の邪魔)させていただいたのは
洗米&侵積、そして水切り。



今回洗米している酒米は『伊予賀儀屋 無濾過 純米吟醸 黒ラベル』で使う松山三井。
大粒の酒米でありながら、米の旨味をしっかりともつ酒米で、
精米機にかけたときにも砕けにくく、精米歩合を極限までに高められると評判よし、品質よしの愛媛原産の品種だ。

この松山三井を50%精米したものを洗米するのだが、
洗う前から白い。
まあ、米だから白いのだけど、まるまるっとした米がかわいらしい。
水流で洗う洗米。
水は蔵内にある井戸水で勢いよく洗う。
地下水だからかなり水温が高く感じる。
平均13〜15度だと教えてくれる首藤さん。滑らかな地下水は造り作業の蔵内のなかでホッとできる存在だ。(風が吹くと寒いけど)



1分半かけて入念に酒米を洗うと、はじめにみたときより一段階トーンがあがったような白さに。
そしてその酒米をハンギリの桶に決めた時間、侵積させる。



ピピピ、ピピピとアラームが鳴ると同時にハンギリから酒米をだし、水切りをするのだが、
ここがまさに思わずえええ!っという方法を目にすることとなる。
水のしたたる酒米袋をもって、時計の振り子のように左右に振る、振る、振る。
水気が飛ばなくなった頃合いをみて、水飛ばし専用機器にいれ、さらに水気をとる。



「この機材をいれる前は全て人海戦術でしたよ。水気がきっちり飛ぶまで右に左に。コツさえ使えば酒米の重さを利用して振れますよ」という笑顔の敏孝さん。



い、いや、笑顔でいっているが、絶対大変やろおおおおお! と酒呑みの本能が騒いだ。

やってみます!?と この振り子水切りを3袋ばかり手をだしたが、
脂肪だらけの二の腕が悲鳴を「無理よ、無理、無理」と泣き出す。
3袋全て、敏孝さんのチェックがはいり、OKにならず。敏孝さんの振り子打法が加わってようやく機械へ。

や、役にたたぬ麹……。

米の水切りひとつ、手が抜けぬのが酒造りの難しさ。気をぬくところがないのが酒の世界なのだ。

酒米は一袋10キロ。
それを1回に約300キロ、洗米し、侵積、水切り作業が行われる。
酒米はひと晩、しっかりと乾燥させ、
翌日、蒸米となり、酒造りの工程が進んでいく。



「助かりました」といってくれるお蔵の皆様。
なんて心優しい方ばかり。うっすら涙ならぬ、涎がでているのを見てか、首藤さんの「試飲ですよね(笑)」と嬉しきご案内。



モーチーローンと作業場を後にし、スキップしながらお店のほうへ。
ここは首藤さんがインタビューのとき「地元の人との交流の場になるような空間にしたい」と話しをしていた酒蔵リノベーションZONE。
酒蔵から伝えたい思いや故郷の魅力を発信したいといっていた場所は
明るく、桶の蓋のテーブルや暖かい灯りと共にゆったりと音楽が流れ、
御近所さんが暖簾をくぐっては、集う空間になっていた。
KIDSスペースもあり、親子連れで楽しめるという心くばりはまさに四国のお接待の心、ここにあり!である。



こちらで今回試飲させてもらったのは9本。
『伊予賀儀屋』から『御代栄』に梅酒に貴醸酒。そしてブレンド酒(非売品)。

「完飲しなくてもいいですからね」(首藤さん)

そ、そんなに飲みませんから(汗)。
といいつつも、全部チビチビ飲んだ後、お気に入り子を何度も注いでいたのは間違いなし。



『伊予賀儀屋 無濾過 味口本醸造 青ラベル』がやっぱりお気に入り。
食事と一緒に無理なく飲めるというのが『伊予賀儀屋』のいいところ。
なかでもこの本醸造は米の旨味をしっかりと保ちつつ、喉越しはスッキリとしており、口に含んだ時と喉越しを通るときの幅の大きさが楽しめる子だ。
常温ではじまると、いつまでもゆるゆる……ズルズル……。あっという間に気化してる !?という魅力をもっている。
まさに「こいつはいけねえ!?」と酒呑みは大喜びする子である。

試飲という名の呑みタイム。ちょっとのつもりが小一時間強!(居座りすぎか?)
もちろんかなり酔い気分♪
酩酊する前に(ここ重要)お気に入りの子達を数本チョイス。
梅酒も1本(これは賄賂として、うちの親用)。

蔵に御邪魔したときより、荷物が増える酒ナフキンは今年も健在である。

成龍酒造さんの蔵開きは春と秋。
蔵開きのときのみ出荷する子は貯蔵庫にお行儀よく眠っていた。
こ、これは呑まなくては! 酒呑み根性に火が灯る。
昨年はなんと1000人超えの蔵開き。さすが人気蔵、成龍酒造!
地元はもちろん、四国、いや全国に成龍酒造ファンが増加中の証。
米の旨味が100%以上いきた味を醸す、旨し酒。
成龍酒造をはじめ、
四国にはこれは!という酒蔵がまだまだぎょうさん(多く)ある。



さ、次はどこの旨き愛しき子に会いに行こうか。
2015年、酒ナフキン、酎ナフキンは始まったばかり。


 
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DATA)

蔵名:成龍酒造株式会社
住所:愛媛県西条市周布1301-1
URL:http://www.seiryosyuzo.com/index.html
備考:次回の蔵開きは春! 詳しくは蔵のHPで確認を♪

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