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Channel: ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>
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常に満席が当たり前。食も酒も理屈いらない、食いしん坊が集う酒滴な場所♪ 

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何年ぶりだろうか。1年、いや2年以上はたっているだろう。
四谷三丁目の萬屋(よろずや)おかげさん。

酒呑み&食いしん坊なら1度はお邪魔したい、再訪したい場所だろう。
ビルの地下を降りるとドアには「本日は満席でございます」という札がでている。
いつもなら、残念とUターンするところだが、今回は違う。

ドアを開けて、カウンターへ。
今日は山形県鶴岡市の竹の露酒造の相沢ご夫妻に連れてきていただいた。
神崎さんもおかわりなくお元気そうである。ここ数年、雑誌などでお顔を拝見しているので、
数年ぶりという感じがしない。

以前は「おまかせで」とお願いしていたが、昨年からか?萬屋(よろずや)おかげさんはコースのみとなった。敷居が高くなった?と思われる人もいるかもしれないが、ご安心あれ。
敷居なんぞ高くはない。旨さだけは昔も今も変わらずに、お客さんをお待たせしないようにという神崎さんをはじめ、スタッフの心遣いの現れである。



お通しはオリジナルの卯の花。しっとりとしたおからの食感に箸がとまらない。
「おかわりほしいなあ」とつぶやいていると、なんと大きめのお皿で再び卯の花をだしてくれた。
神崎さんの懐のでかさに食いしん坊、頭がさがる。

まずいただいたお酒はもちろん、



寒造り純米吟醸「白露垂珠」生酒。
白露は本当に癒してくれる子ばかり。
そのなかでもこの子は軽快な香りが
鼻の穴をとおって頭を癒してくれます。
美山錦100%綺麗な印象。
低いながらも酸があり、川のなかにゆらぐ水草のようにゆるやかに伸びて揺れている。
爽やかな香りと米のもつ甘さが元気よく口中を駆け巡りだす。



菜の花のおひたしは薄いおひたし。
春まっさかりの旬が心地いい。



活〆の真鯛は煎り酒の味付け。
煎り酒と聞いて、テンションがあがる。
愛読している小説の舞台に必ずでてくる、江戸時代の調味料として
味わいたいと思っていたものだ。
「日本酒に梅干しと花がつおをいれ、ことことと煮詰めてつくるんですよ」と神崎さん。
ほのかにかつお節の旨味、梅干しの酸味と塩けが生魚や野菜の味を引き立てることから、江戸時代の食卓では欠かせない調味料。
程よい酸味と香りで醤油をさすよりもこのほうが素材の旨さを消さない。
主張しすぎない名わき役という感じだ。



もちもちっとしたさつま揚げは春ウドいり。
じゅわんとした汁が舌の上でひろがり、柔らかいウドの食感を愉しめる。
季節の食材にはその時期に必要な栄養素がたっぷりある。
うどは、ビタミンB1、B2、カリウムが含まれている。
ビタミンB1は糖質の分解を助け、効率よくエネルギーにしていくために欠かすことのできないビタミン。そう、人が活動をする上で必要な栄養素なのである。しかも糖質分解ということは、ダイエットにもいいという、女性にとってウフフとうれしいもの。
さらに筋肉の疲労を防ぐ働きもあるのが、ありがたい。(筋肉をつかわずに疲労している自分がいうのはどうかと思うが……)
ビタミンB2には脂質や糖質の代謝を促すと同時に肌荒れや口内炎などの予防するという効果がある。疲れたら、栄養ドリンクというのもいいが、旬の食材で必要な栄養素をとるほうが、きっと胃袋も身体も喜ぶはず。せっかくの春なのだから、今、芽吹いてくる新鮮な食材を食べないと。
では、いつ食べる?……今でしょう!

おかげさんの料理ははじまったばかり。
満席の店内。どのテーブルからも楽しい声が聞こえてくる。



そんな声に反応するように、厨房でもくもくと料理をつづける神崎さん。

南三陸の生わかめのポン酢は箸休めになる。



肉厚で噛見応え十分。カルシウム、ビタミン、ミネラルがたっぷりで、
身体中が細胞レベルで喜んでいる。



おかげさんというとなんといっても一手間二手間かけたお刺身である。
唐津の鰆は先ほど神崎さんが厨房で炙っていた藁あぶりしたもの。
松浦の真鯖はほどよい酢〆がされている。
そして!勝浦の金目鯛はからすみがけ♪
からすみだけでも一杯くぃっといけそうなお味。
たまらな〜いと目を細める贅沢すぎる一品である。



おかげさんのお客さんも白露をお気に召されたようで、
おかわりコールが各テーブルよりかかる。
さすが白露垂珠♪ 竹の露♪

もちろん、こちらもおかわりコール。
思わず、手酌!?で一升瓶を自分の杯に注ぎそうとなり、みな爆笑。
そうそう、ここはお店である。ちゃんとお金払う分だけいれないと♪
神崎さんも苦笑しつつ、片口になみなみといれてくださった。



とにかくスルスルと飲める白露。
身体に染み込む酒というのはこういうことをいうのだろう。
乾いた砂に雨水が染み込むというのではない。(確かに乾燥肌であるが)

山奥の岩に雨水が染み込んでいくという感じだろうか。
じんわり、ゆっくり。それでいながら確実に芯まで浸透していくという感じである。
それは細胞、ひとつひとつに鶴岡の地の声を届けるようにふわんふわんととけ込んでいくのだ。



「メニューにはないけど、鮃もどうぞ」と目の前に白く輝く鮃がでてきた。
あぁ、もう酒が止まらない。
相沢社長もうれしそう。こづえ女将も美味しそうに食べている。
もちろん、gon麹も……!パクリと贅沢に一枚、そしてもう1枚。



春らしく真蛸の桜煮。
ほどよい柔らかさがある。



筍の木の芽あえに



酒呑み必須のなめろう!

もう言葉はいらず、ただただ、食いしん坊という本能に突き進んで箸を動かすのみ。



いぶり豆腐にもろみ豆腐でしっかり発酵食品も追加して健康万全。悪酔い防止♪

※この一皿だけで何杯もいけるのは……間違いない。

食べたなああとおもって顔をあげたとき、
厨房では神崎さんがお釜で炊いたほっかほかのお米で塩むすびを握ってくれていた。



どんな人でもこの塩おむすびの大ファンとなるというおかげさんの塩むすび。
日本人に生まれて、お米文化圏に育って幸せだと世界中に叫べる味である。
日本人の主食がお米からパンに変わってきたという情報を多く耳にするが、
やっぱりDNAが求めるものはうまき米、うまし米。お米だろうとgon麹は思う。

懐かしい食べ物の思い出といって、誰しも母親や父親、親しき人が愛情こめて握ってくれた
「おにぎり」を思い浮かべるだろう。

形はいびつでも、その味は、ホッとできる安心を与えてくれるもの。
記憶の故郷である。

春である。お天道様の下、あぜ道に座っておにぎりをほおばる……というのもいいなああ。
白露垂珠の故郷、山形、鶴岡市の羽黒山の麓の田んぼを眺めながら、
おにぎりとお漬け物をつまみつつ、白露を一杯飲むというのは
最高の贅沢だろう。

あぁ、想像したら、行きたくなってしまった。
もう春だし……。そろそろスナフキンで春の鶴岡へ出かけますか。
桜もちょうど咲き出したようですし♪



素敵な相沢ご夫妻に会いに
白露垂珠の故郷へ。


美味しいものをいただくと、素敵な計画もどんどん思いつくもの。
いつきても、何年たってきても
萬屋おかげさんはお邪魔するたびに幸せをたくさんくれる。
食も酒も理屈いらない、美味しさと愛情あふれる人が集う酒滴な場所。
だから常に満席なのである。




 
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DATA)
店名:萬屋おかげさん
住所:新宿区四谷2-10 松本館B1
電話:03-3355-8100
営 :18:00~22:30(L.O22:15)
休 :日祝月
備考:予約がベスト。カウンターの他にテーブル席あり(掘りごたつ式)。行きたいと思ったのなら早め早めの予約すべし!

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