白露垂珠を久しぶりにとことん飲めた先週土曜日は
四谷三丁目、オール・ザット・ジャズさん開催の『白露垂珠をとことん楽しむ会』に参加した。
今回は10種類の飲み比べ。
女将のこづえさんが蔵のあちこちから掘り出してきたものばかりだ。
乾杯酒はこづえさんお気に入りの永遠のアイドル
純米吟醸「白露垂珠」2011BY 美山錦55。
軽い飲み口でスルスルと飲みやすい。
参加者全員「かんぱーい」のあとに続くは「うまーい」である。
白露垂珠は山形の竹の露の子。
今の会で出されるお料理は山形に縁のあるものが多い。
先付けにだされていたのが山ワラビと青い茎。
茎の部分を齧ればシャキシャキっと口のなかで音をたてる。
クセもなく食べやすい。
この物体はなんだ?とジャズさんに聞いてみる。
どうやら「ミズ」という山菜らしい。
赤いのと青いのがあり、これは青いミズ。
綺麗な沢や川に生える山菜で多年草だとか。
茎は水分が多くて柔らかい。塩加減もちょうどよく、いくらでも食べられそうだ。
ジャズさんの料理に合わせてこづえさんがお酒をそのつど選んでくれる。
出羽の里77の生詰と生酒の飲み比べも面白かった。
「生詰」と「生酒」の違いについてもわかりやすく教えてもらえる。
生詰は酒を搾った直後に火入れ、加熱殺菌を行い、出荷時には火入れを行わない酒のこと。日本酒は搾った後と出荷時の2度火入れを行うが、生詰酒は搾った直後の1度のみ。
生詰酒としてわかりやすくいえば「ひやおろし」が当たる。そして「生酒」は醪を搾った後に一切火入れをしない酒のこと。加水調整をしたり、アルコール添加しても、火入れしなければ「生酒」となる。
何度聞いても覚えないgon麹。
BYがそれぞれ違うので、同時期の酒ではないが、
飲み比べると全く違う感覚であることがわかる。
生詰は度数も若干高いため、味が元気で余韻もあるものの、スカッとキレるように飲みやすい。生酒は度数は生詰よりは少し低いものの(出荷年数が3年ほど古い)、しなやかな伸びがある。一見、こちらのほうが口当たりもいいが、飲み続けるのだったら、生詰のほうだな。
使われている酒米は「出羽の里」。山形県の地の米。
一見、相撲取りの名前のようだがこの酒米。他の酒米よりも心白が大きいのが特徴。心白とは米の中心部にある白く不透明な部分のことで酒米の特徴の一つだ。この心白部はデンプンが少なく、そして柔らかい。そのため麹菌の菌糸が中に伸びやすく、強い酵素力のある麹が生まれ、酒母や醪での糖化も良いのだ。この心白が大きければ大きいほど酒造りに適した酒米であるともいえる。その心白発現率が出羽の里は94.3%もあり、玄米100粒のうち94粒以上に心白ができるとのこと。造り手にとってありがたき体質の持ち主なのである。
同じ出羽の里でつくられた「無濾過純米ミラクル77」は間違いなくコンスタントに飲める子だ。
「ミラクルってどういう意味ですか?」という質問にこづえさんの返答は
「精米歩合77%という割合でキレがありながら明快でクリアな味わいに、思わずミラクルよ♪といっちゃったのよね(かなり割愛してます)」。
蔵の石高も777石。相沢社長もこづえさんも!? “7”という数字が好き?ということでミラクル77とついた。うん、なんともミラクルである。
さて、会が開かれた土曜日は富士山が世界遺産に登録された日。
これはめでたい!と京都・今宵堂さんの富士山杯も大活躍。平杯で飲むとまた酒の口当たりも変わる。
そんな違いをさしつさされつ楽しんで、ジャズさんの料理をつっつき続けた。
「これはもう蔵にもどこにもないぞー」とこづえさんが今回、見つけ出してきてくれたのは限定純米原酒「はくろすいしゅ」2007 亀ノ尾55 生酒。19BYの氷温本生。
亀ノ尾という酒米はなんとも厄介、もとい、複雑かつ古風な子らしく、ー2度の冷凍庫で貯蔵していても熟成しづらいらしい。若干温度をあげなければ、亀ノ尾は旨みの蕾は膨らまず、花咲かせにくい。
限定純米原酒「はくろすいしゅ」2007 亀ノ尾55 生酒はそれでもじんわり低温でゆっくりゆっくり熟させたもの。華やかさというよりはザクロの実が色づき、開いてくるような感じの旨みの広がり。舌に纏うような香りは素朴で稲穂が風になびくような感じ……。
どこか懐かしい、郷愁にかられてしまった。
山形といえば、だしである。
山形県の村山地方の郷土料理だ。細かく刻んだ夏野菜と香味野菜を醤油であえ豆腐やご飯にかけて食べるもの。今回は豆腐にたっぷりかけてもらった。この出汁の塩気が酒をすすめる憎いやつ。そして蒸し暑くて火照っていた体を夏野菜が冷やしてくれる。夏の酒時間にはかかせない一品だ。
もちろん、食べ過ぎると血圧が心配になりそうだが、ここは少々目をつぶって……。
今回の10種類の飲み比べ。
限定 純米吟醸原酒 「はくろすいしゅ」2007 BY 亀ノ尾55 生酒
限定 純米吟醸原酒 「はくろすいしゅ」2012 BY 亀ノ尾55 生酒
限定 純米吟醸原酒 「はくろすいしゅ」2008 BY 亀ノ尾55 生詰
限定 無濾過純米原酒「白露垂珠」2009BY 出羽の里77 生詰
限定 無濾過純米原酒「白露垂珠」2012BY 出羽の里77 生酒
無濾過純米ミラクル77 「白露垂珠」2010BY 出羽の里77 生詰
限定 純米吟醸原酒「はくろすいしゅ」2012BY 出羽燦々・美山錦60 生酒
特選 純米酒「白露垂珠」2012BY 出羽燦々・美山錦60 生詰
純米吟醸「白露垂珠」2011BY 美山錦55
無濾過清酒「竹の露」美山錦60・はえぬき65
大好きな地元酒「竹の露」もあってご満悦。ひととおり飲んだら、燗がいい♪ と呑み助の我侭出放題である。
〆にはひっぱりうどん。これも山形県内陸部の郷土料理とのこと。
ゆであがったうどんを釜や鍋からすくいあげ、納豆やサバ缶のタレにつけて(かける)たべるうどんである。うどん県人のgon麹。うどんと聞けば見過ごせない。どんなもんだ?と待っていると、
納豆、おおぶりの煮付けられたサバに生卵と薬味がどっさりはいったタレに乾麺のうどんというつけスタイルで現れた。お初なるうどん。タレの碗に麺をぶちこんでかきまぜ、具と麺を絡ませる。ある意味、ぶっかけうどんの具沢山!という見た目だが、さすがに讃岐でこのようなうどんに出会ったことはない。とにかく濃厚な味で塩気というかサバ缶の青さとタレの味がいい具合に麺にからむ。
生卵入りのぶっかけうどんをカルボナーラと称するのならば、こちらはミートスパゲティというべきか。ずるずるとすするのではなく、むしゃむしゃ食べるものだ。
この「ひっぱる」という意味には釜や鍋からうどんをひっぱるからとか、納豆が糸をひくからなど諸説いろいろあるらしい。納豆好きにはたまらん料理であることは間違いない。
そんな〆といただくのは乾杯酒でもあった純米吟醸「白露垂珠」2011BY 美山錦55がちょうどいい。しつこいタレの味を美山錦の子がさらりと中和させてくれ、流してくれる。地元酒の「竹の露」の燗でほこほことタレの味を反芻させて味わうのもいいだろう。
楽しく美味しい宴はいつもあっという間。3時間は光陰矢の如し、お開き時間だ。
山形県鶴岡、羽黒山の麓で旨き酒『白露垂珠』と女将、こづえさんとの会話、オール・ザット・ジャズさんの美味しい料理のコラボの一幕は、誰もがお腹いっぱい大満足できるものであった。
追伸:二日酔いをしないのが♪白露垂珠の底力、魅力でもある♪もちろん、白露垂珠 波動水のおかげでもある♪
↑新しく登録中です。こちらもぽちっとよろしくお願いします。by gon麹
DATA)
店名:オール・ザット・ジャズ(all that jazz)
住所:東京都新宿区荒木町9-22 菅沼ビル 2F
電話:03-5379-3663
営業:18:00~24:00(L.O.23:30)
白露垂珠 竹の露酒造
四谷三丁目、オール・ザット・ジャズさん開催の『白露垂珠をとことん楽しむ会』に参加した。
今回は10種類の飲み比べ。
女将のこづえさんが蔵のあちこちから掘り出してきたものばかりだ。
乾杯酒はこづえさんお気に入りの永遠のアイドル
純米吟醸「白露垂珠」2011BY 美山錦55。
軽い飲み口でスルスルと飲みやすい。
参加者全員「かんぱーい」のあとに続くは「うまーい」である。
白露垂珠は山形の竹の露の子。
今の会で出されるお料理は山形に縁のあるものが多い。
先付けにだされていたのが山ワラビと青い茎。
茎の部分を齧ればシャキシャキっと口のなかで音をたてる。
クセもなく食べやすい。
この物体はなんだ?とジャズさんに聞いてみる。
どうやら「ミズ」という山菜らしい。
赤いのと青いのがあり、これは青いミズ。
綺麗な沢や川に生える山菜で多年草だとか。
茎は水分が多くて柔らかい。塩加減もちょうどよく、いくらでも食べられそうだ。
ジャズさんの料理に合わせてこづえさんがお酒をそのつど選んでくれる。
出羽の里77の生詰と生酒の飲み比べも面白かった。
「生詰」と「生酒」の違いについてもわかりやすく教えてもらえる。
生詰は酒を搾った直後に火入れ、加熱殺菌を行い、出荷時には火入れを行わない酒のこと。日本酒は搾った後と出荷時の2度火入れを行うが、生詰酒は搾った直後の1度のみ。
生詰酒としてわかりやすくいえば「ひやおろし」が当たる。そして「生酒」は醪を搾った後に一切火入れをしない酒のこと。加水調整をしたり、アルコール添加しても、火入れしなければ「生酒」となる。
何度聞いても覚えないgon麹。
BYがそれぞれ違うので、同時期の酒ではないが、
飲み比べると全く違う感覚であることがわかる。
生詰は度数も若干高いため、味が元気で余韻もあるものの、スカッとキレるように飲みやすい。生酒は度数は生詰よりは少し低いものの(出荷年数が3年ほど古い)、しなやかな伸びがある。一見、こちらのほうが口当たりもいいが、飲み続けるのだったら、生詰のほうだな。
使われている酒米は「出羽の里」。山形県の地の米。
一見、相撲取りの名前のようだがこの酒米。他の酒米よりも心白が大きいのが特徴。心白とは米の中心部にある白く不透明な部分のことで酒米の特徴の一つだ。この心白部はデンプンが少なく、そして柔らかい。そのため麹菌の菌糸が中に伸びやすく、強い酵素力のある麹が生まれ、酒母や醪での糖化も良いのだ。この心白が大きければ大きいほど酒造りに適した酒米であるともいえる。その心白発現率が出羽の里は94.3%もあり、玄米100粒のうち94粒以上に心白ができるとのこと。造り手にとってありがたき体質の持ち主なのである。
同じ出羽の里でつくられた「無濾過純米ミラクル77」は間違いなくコンスタントに飲める子だ。
「ミラクルってどういう意味ですか?」という質問にこづえさんの返答は
「精米歩合77%という割合でキレがありながら明快でクリアな味わいに、思わずミラクルよ♪といっちゃったのよね(かなり割愛してます)」。
蔵の石高も777石。相沢社長もこづえさんも!? “7”という数字が好き?ということでミラクル77とついた。うん、なんともミラクルである。
さて、会が開かれた土曜日は富士山が世界遺産に登録された日。
これはめでたい!と京都・今宵堂さんの富士山杯も大活躍。平杯で飲むとまた酒の口当たりも変わる。
そんな違いをさしつさされつ楽しんで、ジャズさんの料理をつっつき続けた。
「これはもう蔵にもどこにもないぞー」とこづえさんが今回、見つけ出してきてくれたのは限定純米原酒「はくろすいしゅ」2007 亀ノ尾55 生酒。19BYの氷温本生。
亀ノ尾という酒米はなんとも厄介、もとい、複雑かつ古風な子らしく、ー2度の冷凍庫で貯蔵していても熟成しづらいらしい。若干温度をあげなければ、亀ノ尾は旨みの蕾は膨らまず、花咲かせにくい。
限定純米原酒「はくろすいしゅ」2007 亀ノ尾55 生酒はそれでもじんわり低温でゆっくりゆっくり熟させたもの。華やかさというよりはザクロの実が色づき、開いてくるような感じの旨みの広がり。舌に纏うような香りは素朴で稲穂が風になびくような感じ……。
どこか懐かしい、郷愁にかられてしまった。
山形といえば、だしである。
山形県の村山地方の郷土料理だ。細かく刻んだ夏野菜と香味野菜を醤油であえ豆腐やご飯にかけて食べるもの。今回は豆腐にたっぷりかけてもらった。この出汁の塩気が酒をすすめる憎いやつ。そして蒸し暑くて火照っていた体を夏野菜が冷やしてくれる。夏の酒時間にはかかせない一品だ。
もちろん、食べ過ぎると血圧が心配になりそうだが、ここは少々目をつぶって……。
今回の10種類の飲み比べ。
限定 純米吟醸原酒 「はくろすいしゅ」2007 BY 亀ノ尾55 生酒
限定 純米吟醸原酒 「はくろすいしゅ」2012 BY 亀ノ尾55 生酒
限定 純米吟醸原酒 「はくろすいしゅ」2008 BY 亀ノ尾55 生詰
限定 無濾過純米原酒「白露垂珠」2009BY 出羽の里77 生詰
限定 無濾過純米原酒「白露垂珠」2012BY 出羽の里77 生酒
無濾過純米ミラクル77 「白露垂珠」2010BY 出羽の里77 生詰
限定 純米吟醸原酒「はくろすいしゅ」2012BY 出羽燦々・美山錦60 生酒
特選 純米酒「白露垂珠」2012BY 出羽燦々・美山錦60 生詰
純米吟醸「白露垂珠」2011BY 美山錦55
無濾過清酒「竹の露」美山錦60・はえぬき65
大好きな地元酒「竹の露」もあってご満悦。ひととおり飲んだら、燗がいい♪ と呑み助の我侭出放題である。
〆にはひっぱりうどん。これも山形県内陸部の郷土料理とのこと。
ゆであがったうどんを釜や鍋からすくいあげ、納豆やサバ缶のタレにつけて(かける)たべるうどんである。うどん県人のgon麹。うどんと聞けば見過ごせない。どんなもんだ?と待っていると、
納豆、おおぶりの煮付けられたサバに生卵と薬味がどっさりはいったタレに乾麺のうどんというつけスタイルで現れた。お初なるうどん。タレの碗に麺をぶちこんでかきまぜ、具と麺を絡ませる。ある意味、ぶっかけうどんの具沢山!という見た目だが、さすがに讃岐でこのようなうどんに出会ったことはない。とにかく濃厚な味で塩気というかサバ缶の青さとタレの味がいい具合に麺にからむ。
生卵入りのぶっかけうどんをカルボナーラと称するのならば、こちらはミートスパゲティというべきか。ずるずるとすするのではなく、むしゃむしゃ食べるものだ。
この「ひっぱる」という意味には釜や鍋からうどんをひっぱるからとか、納豆が糸をひくからなど諸説いろいろあるらしい。納豆好きにはたまらん料理であることは間違いない。
そんな〆といただくのは乾杯酒でもあった純米吟醸「白露垂珠」2011BY 美山錦55がちょうどいい。しつこいタレの味を美山錦の子がさらりと中和させてくれ、流してくれる。地元酒の「竹の露」の燗でほこほことタレの味を反芻させて味わうのもいいだろう。
楽しく美味しい宴はいつもあっという間。3時間は光陰矢の如し、お開き時間だ。
山形県鶴岡、羽黒山の麓で旨き酒『白露垂珠』と女将、こづえさんとの会話、オール・ザット・ジャズさんの美味しい料理のコラボの一幕は、誰もがお腹いっぱい大満足できるものであった。
追伸:二日酔いをしないのが♪白露垂珠の底力、魅力でもある♪もちろん、白露垂珠 波動水のおかげでもある♪
↑新しく登録中です。こちらもぽちっとよろしくお願いします。by gon麹
DATA)
店名:オール・ザット・ジャズ(all that jazz)
住所:東京都新宿区荒木町9-22 菅沼ビル 2F
電話:03-5379-3663
営業:18:00~24:00(L.O.23:30)
白露垂珠 竹の露酒造