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Channel: ゴン麹 酔いどれ散歩千鳥足 <野望と無謀>
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鉄板焼きの生みの店 特選神戸牛ステーキ 彌でにくにく三昧♡

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鉄板焼き。
大きな鉄板に大ぶりにカットされた野菜やお肉が
軽快な音をたてて焼かれていく料理である。
この鉄板焼き。今日では世界中に広まっているが、
この鉄板焼きを生み出したのがステーキ彌のオーナーシェフ、塚本弥一郎氏の父親である。



「日本では昭和初めまで木炭を燃料として七輪などで加熱する方法が一般的でした。
戦後の話になりますが、今のようにガスコンロ設備などがしっかりしていないとき、
うちの父親が畳一畳分ぐらいの大きさの廃品の鉄板で数少ない食材を集めては焼き、
調理して提供していたんです。
闇市時代の話ですね。日本はまだ進駐軍の時代。
父親の鉄板焼きの噂を聞き、彼らはジープに乗って出かけてきた。
外国人の彼らにとって、当時の日本食はものたらなかったのでしょうね。
父親の鉄板焼きをみて、カットした肉をそのまま焼けというオーダーをしたそうです」



先代が焼き上げた肉を進駐軍の軍人は大満足でたいらげ、
その後、日本中に鉄板焼きという手法が世の中に浸透したそうだ。
今日では電気式のホットプレートが普及し、家庭でも手軽に鉄板焼きを楽しむことが出来る。
そんな日常の食事風景を生み出してくれたのが塚本家なのだ。



ステーキ彌があるのは兵庫県三宮。
鉄板焼きの聖地ともいうべき場所のど真ん中のビルにお店はある。
神戸牛というブランドを作り出したのも塚本弥一郎氏だ。

「神戸には牛はいませんよ。でもここで調理される、料理される牛は神戸牛というブランドになる。
ブランドを認知させるのっていろいろ大変なんですよ。
大阪、東京でもいろいろな仕掛けをしました。多く失敗もあったし、不発だったイベントも多かった。それでも私は神戸で食べられる牛は旨いんだという信念をなくすことはなかった。
結果、神戸牛というブランドが世界に通用するようになれました」

茜色とも、緋色ともいえる肉色にちりばめられた鹿の子模様の白脂。
このブロックに牛刀を入れると
断面にほのかにかすみがなびいたようにみえる。
これは脂質がよく融点が低いからだそうだ。
こういう肉を「トビ」というらしい。



神戸ト場の買参権を持ち、枝肉のセリに参加。
但馬牛の肥育も手がけながら、日本初の電気式の鉄板や日本唯一の排煙システムを開発導入した。
おかげで現在のステーキ屋さんでステーキを食べるとき、
煙でお客から不満がでるということが少ないというのも、塚本弥一郎氏のおかげだ。



店の鉄板もすべて電気式。
ピカピカに磨かれた鉄板に厚みのあるビーフをオーダーに応じて焼き上げてくれる。
湯気のような煙が立ち上るように見えるが一瞬で消え、煙を気にせずに
目の前のパフォーマンスを楽しむことができる。



ほどよい焼き具合になると食べやすい大きさに牛刀でカット。
サッと切れていく肉の表面からは透明な脂がにじみでている。

焼きたての肉は口の中で蕩ける。
最高級のビーフだ。
最高の食材にあったとき、言葉などいらない。いや、言葉すらでない。
五感を超えた世界にいざなってくれるあの感覚は
体験した者のみ許されたものだろう。



こちらは肉だけではなく、魚介類から野菜、自家製のデリカやパンへのこだわりも深く、
ドリンクもワイン、梅酒、焼酎の他に、独自で酒蔵と契約した吟醸酒への意識も高い。
「牛肉とワインは当たりまえになりましたが、日本酒との相性も間違いなくいい。
日本で生まれ育った牛なんだから、日本酒と相性が悪いわけがない。
たくさんの人に飲んでほしいですね。」

店でいただいた日本酒は紫綬褒章の故石原但馬杜氏が醸したステーキ彌オリジナル純米大吟醸。
この子を高橋南部杜氏によりいっそう育まれ、年々鮮烈にそして透き通るような味わいである。

メニューはアラカルトや一品料理もあるが、やはりコースがベストである。


松茸など野菜類から、チーズをたっぷり使ったグラタンなどの小鉢までと、バランスがよい。


松茸は基本、1年中手にはいるそうだ。



「外国産のものもありますが、日本産のものが手にはいるときは極力、日本産のものです。
おおぶりな松茸は美味しくないといいますが、この松茸は香りもいいし、
肉厚なのでキノコのもつ食感を楽しめます」



トマトとフォアグラのミルフィーユという贅沢な一皿はちょっとびっくり。
フォアグラの脂もそれほど気にすることもなく、トマトの甘さのなかの酸味が
いい塩梅で染み込んでいるので、食べやすい。



メインが焼き上がるまでのお楽しみもどれもお腹が大満足できるものばかり。



グラタンの中からでてきたのはあんころ餅。これにはびっくり。
讃岐出身のgon麹としては、懐かしいあんころ餅料理である。
あんころ餅談義でしばし塚本氏と四国話に花が咲く。




ステーキの桃源郷ともいうべき神戸三宮。
この三宮にはいくつ鉄板焼き屋があるのだろう。
空に伸びるビルにはいくつもの鉄板焼きの看板が鈴なりに連なっている。
そのなかに煌煌と輝くステーキ彌の看板。

「鉄板焼きというと家庭料理のイメージや身近なものになりました。ステーキの鉄板焼きというとまだ高級なイメージがあるかもしれないけれど、高級なイメージをもっていただけるからこそ、お客様に楽しんでいただける最高のおもてなしをするのが私たち、鉄板焼きの料理人だと思います。まだまだ精進するところがいっぱいです」

神戸ビーフ鉄板焼の中興の祖・creator of Teppanyaki Steakと評され、
又濫觴と冠されてもなお、まだまだ修行中という塚本氏。

確かに日々の料理というわけにはいかないが、ハレの日など特別なときなど、
美味しいステーキが食べたいと頭に浮かぶ店はステーキ彌である。



 
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店内で目をひくは天井高6Mの壁面に日本画と書の大作。
のんびりと堀炬燵式鉄板で味わう特選神戸牛は口の中で蕩ける……。


DATA)
店名:ステーキ彌
住所:兵庫県神戸市中央区下山手通2-1-14 アークコーストビル 7F
電話:078-322-0457
営業:11:30~22:00
休 :無
URL :http://www.teppanyaki.co.jp/index.html

注意:コース内容やメニューは変化あるので、お店に直接お問い合わせください。


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